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乗りこなし方(Riding Tips)
Windsurfing Classics

サーフィンとウインドサーフィン

Windsurfing Classics

2015『Hi-Wind』7月号より/ウインドサーファーはマウイローカルのモーガン・ノイロー

一時期僕は、サーフィンに影響を受けていたり、あるいは憧れているような、そんなウインドサーファーが大嫌いだった。「プロサーファーになれなかったからウインドのプロになった」なんていう話を聞くと、とても悲しい気持ちになったものだった。

自分が大好きなウインドサーフィンがサーフィンよりも下に見られているような気がしたから。だから、サーフィンを参考にウインドの動きを作れとか、サーフィンのようにだとか、そんなアドバイスはしなかったし、受け入れもしなかった。

でもだんだん歳をとってきたからか? なんだかんだで自分もサーフィンを楽しんだからか? 偉大なシェイパーや先人たちの話を聞けたからだろうか? 近頃はそんな反発心が薄らいできて、ウインドとサーフィンの関係について、自分が勘違いしていたのではないか? と思いはじめるようになった。

そもそも手に入れたい本質的なものは、サーフィンやウインドサーフィンに限定的にあるわけではない。その本質的なところを楽しむための道具として、サーフィン、ウインドサーフィン、SUP、ボディーボード、ヨット、カヌーなどがあるということだ。

その上で、本質的なところのひとつである波から力をもらう部分、ボードを滑らせる部分をわかりやすく説明しようとすると、サーフィンを例えにだすのがわかりやすい。ただそれだけのことだったのではないか。

スピードを競うことのないサーフィンには、早くから競技ではなくスタイル(乗り方)を追求する方向性が生まれていた。コミュニティ全体に使う道具に対するおおらかさがあり、ショートボードのみからの脱却も早かった。自由でへんなこだわりがなく、真面目にふざけている感じもある。だから多くの人に受け入れられやすく、サーフィンをあいだにいれることで物事がシンプルに伝わりやすいのかもしれない。

水の上を滑らせるという部分では、カヌーなどの乗り味にもその本質的な部分を色濃く感じることができるのだろうと思う。そういえば先日サバニという木造船(古くから南西諸島や九州で使われていた漁船)に乗った時の水面を滑っていく感触は凄かった。もちろんウインドサーフィンに通じる「何か」を感じた。そういう感覚を閉ざしてはいけない。近頃は強くそう思う。「何かとは何だ?」と感じようとしたり考えるきっかけを潰してしまうのはもったいないと。

Windsurfing VS. Surfing
Performed by Kai Lenny and Ricardo Campello

Windsurfing Classics

2008年『Hi-Wind』2月号より/ウインドサーフィンとサーフィンにはそれぞれの特性にそった動きがあり、同時に通底する本質もある。分断的思考にメリットはない

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